ヒラメ?カレイ?見分け方を徹底解説!エンガワの秘密とは!?
- 2019.12.23
- 釣りガイド【なみつり】
- カレイ, ヒラメ, 釣り
鮃(ヒラメ)と鰈(カレイ)はよく見かける魚ですよね。
ヒラメは刺身、カレイは煮つけなんてよく言われていますね。
でもヒラメとカレイの見分け方は分かりますか。
そして、回転寿司でよく食べているエンガワはヒラメじゃないって知っていますか。
今回はなみ釣り番外編でヒラメとカレイについて調べてまとめましたのでご覧ください。
ヒラメとカレイ
そもそもヒラメとカレイって同じような魚だよね。
あんまり変わらないんじゃないの。
そんな事を思っている方も多いのでは。
実際、自分もガッツリ調べるまでは同じような感じなのかなと思っていました。
日立第五埠頭で初めてカレイを釣ったときに当初はコレはヒラメだと勘違いしていたくらいです。
まず、ヒラメはカレイ目ヒラメ科に属する魚を言います。
カレイはカレイ目カレイ科に属する魚です。
それぞれ90種類くらい仲間がいるんです。
ヒラメもカレイ目なんだとビックリ。
まあ、見た目も同じような感じなのでうなずけますがね。
ヒラメとカレイの種類
ヒラメとカレイの仲間が約90種類づついるのですが、食べられている種類が多いのはカレイなんです。
その中でも日本でよく食べられているのが、マコガレイ・マガレイ・イシガレイの3種類。
ヒラメよりもカレイの方がよく食べられているんですね。
確かにヒラメは刺身や寿司でしか見かけませんが、カレイは煮物とかでよく見かけますよね。
煮物文化の日本人にとってはカレイはとっても相性の良い魚だったんですね。
ちなみに、フランス料理で出て来るヒラメのムニエルなどで使うシタビラメはカレイ目ウシノシタ科というヒラメとは違う、どちらかというとカレイに近い魚なので間違えないようにしましょう。
ウシノシタって変な名前だけど美味しいって聞いた覚えがあったのですが、ヒラメとは違う魚だったんですね。
うーん、なんかヒラメとカレイって複雑です。
ヒラメとカレイの見分け方
ヒラメとカレイの見分け方でよく言われるのが、左ヒラメの右カレイと言われています。
右向き。
左向き。
どっち?と思っていまいますよね。
こんな感じで口を下にしたときに目が上に来ますよね。
その状態で目を上にしたときに、左向きがヒラメで右向きがカレイです。
エラを下にしたときと考えてもいいですよ。
例外として、ヌマガレイは左向きなので注意です。
何だかコレじゃヒラメとカレイの見分け方が全然分からない。
結局プロに見てもらわないと分からないじゃん。
ヒラメとカレイの分類
では、今度は生物分類から何でヒラメとカレイが別れているのか解説しますね。
そもそも、ヒラメとカレイも先ほど同じカレイ目とお話させていただきました。
でも、ヒラメ科とカレイ科で分かれているのは視神経の交差で分類しているからなんです。
ヨクワカラナイデスヨネ。
自分もそう思いました。
視神経は目から来る情報を脳に伝える神経の事を言います。
視神経は右脳から出て左目に、左脳から出て右目につながっています。
つまり、クロス(交差)しているんです。
クロスするときにどっちの神経が上を通っているかでヒラメとカレイを分類しているんです。
左の脳から出ている視神経が上を通っているのがヒラメ。
右の脳から出ている視神経が上を通っているのがカレイ。
なので、左向きのカレイでもカレイの仲間って考えるんです。
なるほど、ヒラメとカレイはこんな感じで分類されていたんですね。
ヒラメとカレイの目
ですが、神経の交差なんて顕微鏡を使わないとわかりませんよね。
他にヒラメとカレイの見分けがつくポイントは目の形でも見分けがつきます。
ヒラメの目はハート型で、カレイの目はデメキンのように飛び出して真ん丸です。
目がハート形ってなんだか面白いですね。
ハートと言うよりも、長細い感じとも言えますね。
ヒラメとカレイの生活
何で目の形が違っているのかと言うと、普段ヒラメは砂の上で生活して、カレイは砂に潜っているからなんです。
え、ヒラメもカレイも砂に潜っているんじゃないの。
確かに自分も少し前まではそう思っていました。
でも、実はヒラメは砂の上で生活していて、カレイは砂に潜って生活しているんです。
ヒラメやカレイは周りの環境に体を似せて身を隠す(擬態)ことができます。
海の底でヒラメやカレイをパッと見つけるのはとっても困難です。
でも、その身の隠し方がヒラメとカレイでは全く違うんです。
ヒラメは身を隠すときに砂には潜らないで、体の色だけを変化させます。
カメレオンや、タコのように色を変化させて周りに溶け込むんです。
ヒラメは目で見た周りの状況に合わせて体を変化させているんですよ。
なので、基本は砂の上で生活しているんです。
カレイは身を隠すときに体の色を若干変化させてから砂に潜ります。
ヒラメとは違って、砂に潜って目だけ出しています。
なので、目がデメキンのようにとびだしているんです。
生活の違いによって体の作りが変化しているんですね。
ヒラメとカレイの子ども時代
そんな、ヒラメやカレイの目は生まれた時から片側についている訳ではないんですよ。
ヒラメもカレイも生まれた時は縦に泳いで、目も両方についているのですが、成長に伴って目が移動して体の構造が劇的に変化するんです。
これを変態(へんたい)と呼んでいます。
なんだか、不思議な生態をしているんですね。
ヒラメとカレイの食べ物
そんなヒラメやカレイは普段から食べているモノも違います。
ヒラメは生きた魚を主食にしているので、とても活動的。
そのため、ヒラメの口は大きく開いて魚を補食できるようにキバがついています。
カレイはイソメなどの底生物を主食にしているので、ほとんど動かず、とても静か。
なので、カレイの口は小さくおちょぼ口なんです。
この口の形も見分け方の1つと言えますね。
もし機会があれば、水族館などで餌の補食シーンを見て見て下さい。
自分も初めて見たときはヒラメは思った以上に動いて魚を食べていたので、こんなに動くんだと思いました。
逆にカレイは思った以上に動かず、エサのイソメが目の前に落ちてきても動きませんでした。
きっと、水族館で見る分にはヒラメの方がヒラヒラ泳いでいたので面白いですね。
ヒラメとカレイの釣り方
ヒラメとカレイは意外と違う所が多いということが徐々に分かってきましたね。
今回はなみ釣り番外編ということなので、ヒラメとカレイの釣り方の違いにもまとめますね。
ヒラメの釣り方
ヒラメは魚を主食にしているのは先ほどお話ししましたね。
つまりヒラメは小魚をエサにした釣り方が必要ということなんです。
ヒラメ エサ釣り
こんな感じで仕掛けを作ってトリプルサルカン等で錘(おもり)とエサを分けて使用します。
エサは小魚の泳がせ釣りなどが多いですね。
ヒラメ ルアー
ヒラメはルアーでも釣れます。
むしろ、ルアーの方がポピュラーかもしれませんね。
メタルジグやワームでサーフ(砂浜)から釣るやり方です。
両方に共通していることは、ヒラメは食べるのが遅い魚です。
なので、ガブッと食いついても、しばらく待ってから巻かないと釣れないことがあるんです。
ヒラメ40と言われて、ヒラメは最初のあたりから40秒待たないとエサを食べないと言われています。
なので、ググッと来ても急いで巻かないようにしましょう。
カレイの釣り方
カレイが主に食べるのはイソメなどの底生物で、釣る場合は虫餌が基本です。
カレイ エサ釣り
仕掛けはテンビンや錘を付けて沈めておいて待つ釣りです。
範囲を絞って釣るやり方なので、竿を3本用意して100m、70m、30mなどとキャストするポイントをずらしながら探る感じになります。
ヒラメとカレイの釣れる時期
ヒラメやカレイを釣ろうと思っても海に魚がいなければ釣れません。
しっかり時期を把握する事が大切なんです。
ヒラメの時期
ヒラメは年間を通して狙える魚です。
一番のピークは秋。
4月~7月上旬までと9月~12月上旬までが釣りやすい時期です。
カレイの時期
カレイは11月~12月、3月~4月です。
特に11月~12月が脂がのっている旬の時期になります。
1月~2月は産卵期に入って、エサを食べなくなるのであまり釣れなくなります。
ヒラメやカレイを狙う時は、釣り方や時期を確認してから釣るようにしましょう。
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ヒラメとカレイの食べ方
さて、ここまでヒラメやカレイの見分け方や釣り方などをご紹介してきました。
では、肝心の味にはどんな違いがあるのでしょうか。
何でヒラメは刺身の方が多く、カレイは煮付けの方がよく見かけるのでしょうか。
ヒラメの煮付けはイマイチ
ヒラメとカレイを煮付けにした場合で比べてみると、ヒラメの方がパサついて、あまり美味しくないんです。
逆に、カレイは口の中で溶けて柔らかいんです。
これがカレイが煮付けで多い理由なんてすが、何でヒラメはパサついてしまうのでしょうか。
それはヒラメは生きた魚を主食にしており、活発に動くので、全体的に筋繊維が多いからなんです。
筋繊維が多いと煮込んだときに、筋肉をつなぐ繊維が壊れにくく、繊維が溶けずに残ってしまうのでパサついたり固くなるんです。
逆にカレイの場合は、砂に潜って動かないので、筋繊維が少なく、煮込んだときに筋肉をつなぐ繊維が壊れて、身が柔らかくなるんです。
これがヒラメの煮付けがイマイチな理由だったんです。
ヒラメとカレイは見た目は同じような感じでも、煮付けなどの調理によっては味が大きく変わってしまうんですね。
カレイの刺身は何故少ない
ヒラメのエンガワやお刺身は美味しいと有名です。
では、カレイのエンガワは不味いのでしょうか。
いいえ、そんな事はありません。
カレイのエンガワやお刺身はとっても美味しいんです。
カレイのお刺身があまり食べられないのは、カレイはヒラメに比べて一部の種類を除いて足が速いんです。
生食可能時期(冷蔵保存)
ヒラメ 168時間(約7日間)
カレイ 48時間(約2日間)
このことが、ヒラメがお刺身で多く食べられて、カレイがあまり食べられていない理由なんです。
足が速いというのは刺身にとっては致命的ですね。
さすがに痛んでいるお刺身を料理で出すわけにはいきませんもんね。
回転寿司ネタ「エンガワ」の秘密
最近では1皿100円などの手頃な価格でお寿司が食べられることが増えました。
回転寿司などはポピュラーになり、自分もよく利用させていただいています。
そんな回転寿司のネタにエンガワがあります。
身がプリプリしていて美味しいですよね。
でも、秋~冬にかけての季節の旬のネタにヒラメが入っている場合があります。
あれ?
回転寿司のヒラメとエンガワって一緒じゃないの?
何で値段が違うの?
こんな疑問を思った人もいらっしゃるのではないでしょうか。
エンガワとは
まず、エンガワとはヒレと骨をつなぎヒレを動かすための筋肉のことを呼びます。
筋状になっているところが日本家屋の縁側(えんがわ)に似ていることからそう呼ばれているんです。
ヒラメは活発に泳いで魚を食べるため、筋肉質であぶらがのっていて美味しいんです。
1匹のヒラメからとれるエンカワの量は全体の約7%で、貴重なんですよ。
ちなみに、アジやサバ、タイやマグロにもエンガワはあるが全体の1%未満で料理で提供するには量が少なすぎて食べられることはありません。
つまり、エンガワはヒラメやカレイに多くある部位と言うことなんです。
何故エンガワがヒラメやカレイに多くあるのかというと、普通の魚は浮袋があり、尾びれを使ってで泳ぎます。
が、ヒラメやカレイは浮袋が無いので、体をくねらせて泳ぎます。
その為、背びれと尻びれが普通の魚よりもかなり発達しているんです。
また、砂に潜るときや海底を移動するときにも使うのでヒレと骨をつないで動かすための筋肉であるエンガワが鍛えられて大きくなるわけです。
プリプリのエンガワが他の魚よりもヒラメやカレイに多くあるのは生態に由来するモノなんですね。
エンガワの正体
回転寿司で出されているエンガワ。
いつも美味しくいただいています。
が、
実は回転寿司のエンガワはヒラメではないんです。
回転寿司で出されているエンガワはカレイのエンガワなんです。
え?
でも、カレイは足が速いんじゃないの。
そうなんです。
カレイはカレイでもヒラメと同じくらい痛まないカレイを使用しているんです。
それはカラスガレイ。
北方の海に生息して魚も捕食する大型のカレイで、日本での水揚げは少なく、輸入がほとんど。
カラスカレイは大型なので、エンガワも多くとれて、残りの身は煮付けなどに使用します。
この為、ヒラメよりも多く仕入れることができて、ヒラメと同じくらい長持ちするのでカラスカレイが回転寿司でエンガワとして出回っているんです。
約20年前以上から回転寿司では提供されているんですよ。
これが回転寿司のネタのエンガワの正体なんです。
カレイのエンガワだとしても、美味しいですよね。
自分はヒラメでもカレイでも安く美味しいモノが食べられれば満足ですがね。
回転寿司に行ってみたら是非、頼んで味わってみて下さいね。
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まとめ
ヒラメ(鮃) | カレイ(鰈) | |
体の向き | 左向き | 右向き |
視神経 | 左脳の視神経が上で交差 | 右脳の視神経が上で交差 |
目の形 | ハート型 | まん丸で、飛び出している |
生活 | 砂の上 | 砂に潜る |
擬態 | 体表を変化 | 体表を少し変化させて砂に潜る |
口 | 大きく開く口とキバ | おちょぼ口 |
生態 | 活動的 | 静か |
主食 | 小魚 | 底生物(イソメなど) |
釣り方 | 小魚やルアー | イソメの投げ釣り |
釣れる時期 | 4月~7月上旬までと9月~12月上旬まで | 11月~12月、3月~4月 |
旬 | 10月~12月 | 11月~12月 |
美味しい食べ方 | 刺身 | 煮付け |
生食可能時間 | 168時間(約7日間) | 48時間(約2日間)※1 |
※1 カラスカレイなどの一部ヒラメと同じくらい生食可能時期が長いものもいます。
いかがでしたか。
今回はヒラメとカレイの違いについてまとめました。
もし、ヒラメとカレイで迷ったらこの記事を参考にしてみて下さいね。
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